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「ゆっくり村」 後藤彰さんにインタビュー

毎年この時期になると入荷する、”ゆっくり村”特産の
お米ゆず酢。美味しい!とリピーター続出の商品ですが、
どんな人がどんな想いで作っているのでしょうか。
ゆっくり村チーフの後藤彰さんにお話をうかがいました。

—–ゆっくり村とは、どういうところですか?
どこにありますか?

特定の場所に行くと、ゆっくり村があるわけじゃなくて、
考え方・コセプトと考えてください。

「これで充分」という感覚、シンプルな生活、
食や農的営みをベースにした自給的暮らし、
なるべく手づくりすること。

そういったことを大切にしながら、半農半スロービジネスで
幸せに生きる人たちが緩やかにつながって、
支え合う、補い合うコミュニティを目指しています。
場所が離れていても、「ゆっくり村」というコンセプトで
つながれたらとも思っています。

現在は、福岡県田川郡赤村という場所に僕が住んでいて、
ゆっくり村のコンセプトを共有する赤村スローカフェ・
クリキンディ
があって、プロジェクト主体として
スロービジネスカンパニーウインドファームという
2つの企業がある感じです。

現在、赤村を舞台に”ゆっくり村”としての生活や実践を
していますが、長期的には具体的な場所を確保して、
何家族も住んでいたら面白いなと想っています。

—–ゆっくり村を体感しに行くのは可能なことですか?

訪問したい場合は、とりあえずカフェ・クリキンディ
来てください。

自然食の美味しいランチや、
ウインドファームのオーガニック・コーヒーをたのしめます。
本もたくさんあって、スローと言う価値観や、フェアトレード、
様々な環境問題についての本などを手にとってもらえます。
フェアトレード雑貨もいろいろ置いてあります。
お隣に温泉もあるんです。

また、後藤個人が管理しているの田んぼや畑を見学することも
できます。ここに滞在する仕組みや、住みたい人への
サポートはボチボチ考えているところです。

—–次に商品について話を聞かせてください。
虹色米~にじいろ米はどういうお米ですか?

赤米をベースに、色々な古代米が混ざって育ったお米です。
27種類ぐらいの古代米が混ざった玄米を畑に蒔いて、
苗にしました。
上手く育たなくて、一部しか植えられなかったので、
残りはもらった赤米苗が多かったです。
それでも、数種類の古代米は混ざったようです。
赤米を植えたときに、隣に植えていたイセヒカリという品種と
一部交雑しているんですね。古代米やら、イセヒカリ、
赤米とイセヒカリが交雑したものなど色々なお米が混じって
育ったわけです。

—–栽培方法の特徴を教えてください。

自然農のやり方をベースにしています。
自然農というのは、土を耕さない・肥料や農薬を与えない・
虫や雑草を敵としないという育てかたです。
色々な草や虫がいることで、その土地の生態系が豊かになり、
草が朽ちて土の養分として還っていって、というような
考え方です。

自然農では、田んぼの準備の段階では耕さないのですが、
ゆっくり村の田んぼはモグラがあけた穴がで水が溜まらず、
1回代掻きをしました。代掻きというのは、田んぼに水を
いれて土を耕すことです。このときにできた泥が穴を
ふさいで田んぼに水がたまるようになります。

育てる段階では、肥料はやっていません。
肥料分がないと、稲が必死に栄養分を求めて根を張り、
野生的な味になるとも考えています。
もちろん農薬も使っていません。
雑草も生えるし、小さな昆虫やおたまじゃくしや
カエルなどなどたくさんの生き物がいる田んぼになりました。

—–何にもやらなくても、お米は育つものですか?

実際に収穫できていますから、育ちます。
今2年目なのですが、僕が借りる前はしばらくのあいだ
使われていなかった場所で、雑草が茂ったら刈って
そのまま放置されていたんですね。
なので、自然農の考え方としては、たくさんの草が
朽ちてその養分がたくさんある肥えた土地だったのです。

稲を育てているこの2年としても、田んぼには常に水が
流れ込むから、水のミネラル分が入ってきます。
米を収穫した後のわらを田んぼに戻すので、わらが
分解されて肥料分になっていきます。
春先に田に生えた雑草も借り倒すので、雑草も養分になって
くれます。それがお米になって戻ってくるんですね。

そういう様々な植物・生き物が土に還って養分となり、
循環している田んぼです。

—–ブログにも掲載していますが、膳(Zen)スタッフの二人も、
田植えと稲刈りに参加しました。田植えの時には、
一本一本ヒョロヒョロの稲を植えていき、たった数ヶ月で
立派な稲になっているのに感動しました。

収穫も手作業で一株一株刈りとり、天日干しするため
にハザガケしたわけですが、その後どのような作業が
あったのか教えてください。

約3週間乾燥させた稲は、藁から米粒をはずす”脱穀”という
作業をした後、籾殻を取り除いて玄米=販売しているお米の
状態にします。

去年は足踏みの脱穀機で脱穀しましたが、全部を終えるのに
丸2日はかかりました。今年は、近所の有機農家に機械で
脱穀して、籾摺りもしてもらい玄米になりました。
機械でやると速さが全然が違って、去年は3日かかった作業が
1時間程度で終えてしまいました。。

2年間色々やってみて、田植えと稲刈りは手でやって、
脱穀・籾摺りは機械でやるのがいいかなと思っています。


今の田んぼの規模と使える時間のバランスを考えるとこれが
ちょうどいいのかなと。今年は1家族が足踏み脱穀を
体験しにきました。
「収穫してから、食べるまでのプロセスが意外と長いねぇ」
と驚いていましたよ。

—–お米はどのくらいの収穫がありましたか?

今年は、僕が自家用として食べるイセヒカリと言う品種が
約72kg、虹色米 32kgほど収穫できました。

今のところ2年目、収穫量は落ちたけれども、60kgあれば
一人が一年分食べれますから、お客さんがたくさん来ても
一緒に食べる分くらいは充分収穫できました。
自然農で稲を育てる場合、3~4畝(10m×10m=1畝)
あれば一人分の稲を育てることができます。
今は5畝の田んぼを借りて、イセヒカリと古代米の両方を
育てています。
家族ができたらもう一枚必要かなと思っています。

—–ゆず酢についても聞かせてください。

僕が借りている家の庭に4本のゆずの樹があります。


その恵みを収穫して、搾ったものです。
樹自体は、10年以上は生きていると思いますよ。
たくさんの実を付けてくれる木で、今年はちょっと剪定して、
来年に備えて手入れをしようと思っています。

ゆず酢はを絞った後の皮はジャムにしたり、
千切りにして天日干しをして保存します。


ゆっくり村の赤村スローカフェ・クリキンディで販売したり、
カフェのメニューとして料理やお菓子に使う予定です。

あとは、自家用に味噌漬けも仕込みました。
苦味があって独特のクセのある味わいですが、
一年間保存がきくので長期間ゆずを楽しむ予定でいます。

そうそう、ゆずの種はクリキンディのスタッフが焼酎につけて
化粧水にすると言っていました。
僕も去年仕込んだものがあるのですが、虫刺されに良く効きました

よ。かゆみが引くので重宝しています。
ゆずは果汁から皮、種まで本当に捨てるところがないんですよ。

—–今後ゆっくり村として商品化したいものはありますか?

竹炭、竹細工などなどやりたいことはたくさんありますが、
人手とのバランスで今のところは出来ていません。
カフェで旬のゆっくり村産の野菜をたまに販売しています。
この冬はゆずも好評でしたね。

—–赤村のゆっくり村の住人を増やしたいという希望はありますか?

それは、常々思っていますよ~。
僕自身元々東京の人間なんですけどね。
地元で働いている友人などを見ていると、仕事をしていて
疲れている人がものすご~く多いです。
「何が幸せなのかなぁ?」「生きるってどういうことかなぁ?」と

いう想いが僕の根っこにあります。
半農半スロービジネスで幸せに生きていけるモデルとなる人を
増やしたいと思っています。ゆっくり村は、
カフェ・クリキンディ、ウインドファーム、
スロービジネスカンパニーとのつながりがあるから、
それを生かして小さなスロービジネスを展開しながら、
シンプルに暮らしていく人を増やしていきたいなぁ、
と思っています。

虹色米もたくさん買ってくれる人が出てきたら、
育てる量を増やしたり、それに関わる人が増えると面白い
ですよね。地域にある資源も有効活用すれば、いろいろな
オリジナル商品も作れるし、田舎暮らしの体験プログラムや
環境教育、農体験もスロービジネス的に展開していけると
思っています。
最近、ゆっくり村のコンセプトを共有して、僕の隣に
住み始めたスロービジネスカンパニーのスタッフもいるので、
今後の展開がとてもたのしみです。

(左から:新しい住人竹之内さん、膳(Zen) 増永、ゆっくり村チーフ 後藤さん)

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